診療のご案内 | 中産婦人科

産科外来 —診療内容—

妊婦健診

当院の都合により、分娩の取り扱いは平成29年4月末で中止する事となりましたが、妊婦健診は行っております。
妊娠12週前後で希望される分娩施設を紹介させて頂き、予約をとって頂きます。
分娩施設の許可があれば、その後も当院で健診させて頂き、32週頃からは分娩する施設で管理して頂きます。当院での健診期間中の異常時は分娩予約した病院に対応して頂きます。
診療所は待ち時間も少なく、仕事をお持ちのママには土曜日や夜間も診療していて、受診しやすいというメリットがあります。総合病院は出産時に何かあった場合、小児科、麻酔科など他科の医師も常勤されていて、緊急時でも対応できる安全性が診療所より備わっています。健診は診療所で出産は総合病院でというシステムです。
但し、地方へ里帰りの出産を希望される方は分娩を取り扱う医療施設での健診が必要です。当院での健診はお引き受けできません。

ご紹介できる総合病院 (ご希望の病院の予約がとれない場合も有ります)

  • 大阪労災病院
  • 大阪母子医療センター
  • ベルランド総合病院
  • 堺市立総合医療センター
  • 耳原総合病院
  • 大阪急性期・総合医療センター
  • 阪南中央病院

他の病院を希望する場合もご紹介いたします。

婦人科外来 —診療内容—

子宮ガン検診

子宮ガンは子宮の入り口に発生する頸部ガンと子宮内膜に発生する体部ガンがあります。
頸部ガンは性交渉での発ガン性ヒトパピロ-マウイルスの感染でかかる病気といわています。以前は、発生年齢は早くとも30代後半でした。最近では性交渉の開始年齢が若くなってきている影響もあり、20代に初期ガンが認められる件数が増えています。定期的にガン検診を受けると、ガンになる前 (前ガン状態)で発見できます。
体部ガンも最近増加し、原因としては食生活の欧米化、少子化、晩婚化などが上げられています。
体部ガンになりやすい人は、①更年期以後である ②月経不順、排卵障害がある (あった) ③肥満などです。
好発年齢は50代60代ですが、生理不順や不正出血、帯下の増加などがあれば40代の方でも、
受診しご相談いただくことが賢明と思われます。
若い方でも今は20歳から公的な子宮ガン検診 (堺市市民検診)が受けられるようになっています。

乳ガン検診

欧米女性に多いとされていた乳ガンですが、生活の欧米化で日本人女性にも急増しています。
日本人女性の30人に1人が乳ガンになるといわれています。
乳ガンは早期に発見し、適切な治療をすれば「治るガン」です。早期発見のためにも、検診が必要です。
40歳から公的な乳ガン検診 (堺市市民検診)が受けられます。

生理痛・生理不順

通常、生理は卵巣が働きだす10代半ばから、卵巣の機能が衰える50代まで、およそ28日周期で繰り返されます。生理が止まったり、不正出血が続いたりした場合は婦人科を受診されますが、生理痛は多くの女性が我慢されるケースが多く、市販の痛み止めなどで処理される場合がほとんどです。しかし生理痛の中には子宮内膜症や子宮筋腫などによる場合もあります。特に30代、40代になってからの生理痛は要注意です。早めに超音波検査などを受けられることが必要です。生理不順も生理周期が24日以内、40日以上の方、生理の期間が2日以下なら異常の可能性があります。婦人科受診は抵抗がある女性の方も多いと思われますが、診察方法も個別に工夫されておりますので、悩みのある未婚の方も受診して頂きたいと思います。

子宮内膜症

子宮内膜症の原因としてはダイオキシなど環境ホルモンの影響が考えられますが、月経血の卵管から腹腔内への逆流で発症する説などが有力です。
症状は生理痛、性交痛、排便痛などです。月経困難症 (生理痛が強く日常生活に支障がでる)の方が来院された場合は、子宮内膜症を想定した超音波検査や血液検査を行っています。
痛みの強いケースは鎮痛剤を使って様子をみるか、症状によっては低容量ピルを用いる場合も有ります。また病巣が大きく手術必要なケースは責任を持って、総合病院をご紹介します。
好発年齢は20~40代ですが、不妊症の原因にもなりますので、お若い方でも生理痛が益々強くなってきたと思われる方は、早めに受診されることをお勧めします。

子宮筋腫

子宮の壁は平滑期という筋肉でできています。この筋肉層にできた良性腫瘍でで平滑筋の細胞が異常に増殖したものです。40歳の方の4人に1人、米粒大くらいのものであれば、ほとんどの方が持っているといってもよい程です。
子宮筋腫の発生する場所によって、症状の現れかたに違いは有りますが、過多月経 (生理の量が多い)、と月経困難症 (生理痛が強い)が主な症状です。生理の量が多いかは、自分では判断つきにくいと思います。
他科で貧血を指摘された方も子宮筋腫が貧血の原因になっているかもしれませんので、受診をお勧めします。
超音波検査で筋腫の大きさなどが診断できます。
子宮筋腫がみつかったから、すべての方が手術必要という訳ではありません。閉経期になると女性ホルモンの衰えとともに、筋腫も萎縮していきます。ただし、それまでの定期的な検診は必要です。

性感染症

クラミジア・ヘルペス・コンジローマ・トリコモナス・梅毒・淋病・エイズなどの性感染症は性行為によって伝搬する感染症で、主に細菌やウイルスが原因です。症状は多様で、帯下の増加、不正性器出血 外陰部痛、下腹部痛などですが、全く無症状で病気が進行するものも有ります。
検査方法は診察時に視診ですぐ診断のつくもの、帯下などから検査で病原体を割り出すもの、採血検査で病原体が感染しているか調べるものと様々です。
治療が遅れると、重篤な腹膜炎をおこしたり、二次的に不妊症や子宮外妊娠の原因になったりすることも有りますので、迅速な診断と適切な治療を受け、定期的に検診を受ける習慣をつけることが大切です。

婦人科人間ドック

子宮ガン・卵巣ガン・乳ガンなど女性特有の病気を検査項目に組み入れた女性専用の人間ドックです。
結婚前に健康チェックをされたい方、ご自身の健康状態を詳しく知りたい方、
これからの人生を健康に過ごしたいと思われている方に、年に一度のレデイース人間ドックをお薦めします。

【検査項目】 (希望される項目を施行します)
血液検査
貧血検査、肝機能検査、B型・C型肝炎ウイルス、コレステロール、中性脂肪、血糖 など
尿検査
蛋白、糖、潜血
性感染症
梅毒、エイズ、淋病、クラミジア など
子宮ガン検査
堺市市民検診利用可能
超音波検査
子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍の有無
乳ガン検査
堺市市民検診利用可能

更年期外来 —診療内容—

通常、更年期障害は閉経前後の3~5年位の期間に起こります。
頭痛、めまい、肩こり、顔のほてり、発汗、手足の冷え、動悸、息切れ、不眠、イライラする、
くよくよする、うつ状態、疲れ易いなどの症状があります。
重い症状のでる人もいれば、ほとんど影響の出ない人もおり、その期間や度合いは人それぞれです。
主な更年期障害の治療には、ホルモン補充治療や漢方治療があります。
つらい症状があり、更年期障害では?とお悩みの方は、受診しご相談して下さい。

ホルモン補充治療

ホルモン補充治療(HRT)は、閉経前後に不足がちにとなる女性ホルモン (エストロゲン)補充し、萎縮性膣炎、
性交痛、骨粗しょう症、ほてり、発汗、肩こり、イライラなど更年期症状の緩和を図る治療法です。
ホルモン治療薬には、内服薬、貼り薬、腕に塗るジェルタイプの薬もあります。

漢方治療

現代西洋医学と違い、漢方の基本的な考え方は人が持っている病気を治す力 (自然治癒力)を高めること。
各人の体質や症状にあった漢方薬を処方いたします。

不妊外来

不妊外来

不妊症とは、正常な夫婦生活があって、1年経っても妊娠しない場合をいいます。
不妊の原因は女性側の原因が3割、男性側の原因が3割、男女両方が3割、原因不明が1割と考えられます。
当院では、不妊の原因を調べる為の特殊な検査や体外受精などの高度生殖医療はできませんが、
どうぞ、まずはご相談に来院下さい。必要であれば、不妊治療専門施設へご紹介させて頂きます。

避妊相談

IUD (子宮内避妊器具)

妊娠を防止する為に子宮内に留置する器具で、精子の通過阻止や受精卵の着床阻止などによって、妊娠を防ぎます。
IUD装着後に生理量が増えたり、不正出血があったりすることも時にありますが、ピルのように毎日服用しなければならないというわずらわしさがなく、また男性の協力も不要といった利点があります。
出産経験の無い方は装着困難のことが多く、不向きです。

ピル (経口避妊薬)

ピルには、卵胞ホルモン (エストロゲン)と黄体ホルモン (プロゲストーゲン)という二種類の合成女性ホルモンが含まれています。内服することにより排卵を抑制して避妊します。最近は低容量ピルなので重篤な副作用の心配は以前よりありませんが、吐き気や頭痛などで内服しづらい方もおられます。
また、その方の既往症や体質で不向きな方もおられます。問診して、処方前検査が必要な場合も有ります。

緊急避妊薬

緊急避妊とは避妊措置に失敗、または避妊措置を講じなかった場合に妊娠を阻止するための方法です。
緊急避妊薬は性交がおこなわれた遅くとも72時間以内に服用しなくてはなりません。
ピルと同様、吐き気や頭痛の副作用が出る場合も有ります。

月経周期変更 (生理日の変更)

旅行などで生理日の変更を希望される方に、女性ホルモン薬を処方します。
生理を遅らせる場合は、生理開始予定日の5日前より遅らせたい日まで内服します。
生理を早める場合は、生理5日目より7日間ほど内服します。
経口避妊薬と同様に吐き気や頭痛などの副作用がでることも有ります。

人工妊娠中絶について

妊娠はしたが、色々な事情で出産することができない場合はご相談下さい。
母体保護法に該当する場合は、人工妊娠中絶術が可能です。
手術を受ける場合は、妊娠が確認できれば、早めに来院して下さい。当院では妊娠10週以上の方はお引き受けできません。また合併症をお持ちの場合もお引き受けできないことも有ります。
来院時、妊婦に異常がないか確認して術前の採血検査や心電図検査をします。そして手術の日程を決めます。
手術前日に前処置、当日朝に静脈麻酔にて手術、問題がなければ午後にお帰り頂けます。
詳しいことは来院時にご説明いたします。